どんちゃん海外スタディツアー 1回目:フィリピン2日目パヤタス地区を訪問しました

いつもありがとうございます。

このブログは、1日目のブログに引き続き、どんちゃんに同行したエリーが
書かせていただきます。(このツアーは、株式会社ウォンツの貧困支援事業の一環です)

どんちゃんのフィリピンスタディーツアー2日目、 2015年3月24日(火)は、
ケソン市の北東にある、パヤタス地区を訪問しました。

パヤタスには、「パヤタス・ダンプサイト」と呼ばれる
大規模なゴミ山(廃棄物投棄場)があります。

遠くから見るとゴミ山には見えませんよね。

写真から、このゴミ山の大きさを感じていただけますでしょうか。

拡大するとたくさんの人が山の上にいることが分かります。

ショベルカーも何台も登っています。

毎日毎日、ゴミを積んで、この大きさになったと聞いて驚きました!

ゴミ山のそばへ移動し、ソルト・パヤタスのスタッフさんから
パヤタス地区について説明をしていただきました。

1日に約500台のトラックでケソン市から出るゴミ1200トンが
パヤタスダンプサイトに運び込まれ、ゴミ山の周りを囲むようにして
人々が暮らしています。

そのほとんどが、スカベンジャー(ゴミ山でゴミを拾って生計を立てている人)の
家庭で、スカベンジャーはゴミ山から拾ってきたプラスティックや金属などを、
それぞれのジャンク・ショップ(集めたゴミを買い取ってくれる場所)へ
持って行き、お金をもらいます。

朝から夜まで、一日中ゴミを拾うと、およそ150円〜450円ほどの
収入があるそうです。

ジャンクショップは、買い入れたゴミをリサイクル工場に持って行き、
売却するという仕組みで、ゴミ山産業が成り立っています。

ちなみに、スカベンジャーがゴミを拾ってもらえるおよその金額です

—————————————————————–  

*プラスチック   1キロ  36円  
*アルミ(缶)     1キロ 105円  
*ダンボール    1キロ  3円  
*鉄類       1キロ  7.5円

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年中気温が高いフィリピンでは、本当に厳しい環境での仕事だと思います。

ゴミ山の中でゴミ拾いができるのは、15歳以上で、
入場許可証がないと入場できません。

そのため、小さい子どもはゴミ山から拾ってきたゴミを
分類するお手伝いをしています。

足元にもゴミの中にも、針金や釘など、先の尖ったものがたくさんあるので、
とても危険な仕事です。

そんな環境の中、裸足で仕事をしている子どもも多く見ました。><

見ていて、とても心配になります。。

足の怪我から病気になることも多いそうなので、身体を守るためにも、
履物の大切さを知ってもらいたいと思いました。

2000年7月10日にパヤタスのゴミ山崩落事故がありました。

前日から降り続いた台風の影響もあり
高さ30メートル、幅100メールものゴミが崩れ落ち、
約2ヘクタール(約6000坪)の地域がのみ込まれ、
600人〜1000人ほどの人が亡くなったそうです。

想像するだけで、怖いです。

この崩落事故で、お子さんが大怪我をしたというお母さんが、
涙ながらに当時のことを話してくださいました。

当時、慌てて家に戻り、ゴミに埋もれている我が子を見つけ、
助け出そうとしたものの右腕が付け根から深く切れてしまっていて、
皮膚だけでなんとか肩にくつっついているという状態だったそうです。

当時のことを思い出して、お母さんは涙を流しておられました。。

ゴミ山によって大怪我をしたり、家族を亡くされている人もいますが、
ゴミ山が生きるためのお金を稼ぐ大切な場所でもあるということに、
言いようのないもどかしさを感じました。

亡くなった方のお名前が記されている慰霊碑に、
私たちも合掌させていただきました。

この事件後、フィリピン全土からパヤタスへの支援も増えましたが、
同時に「パヤタス=ゴミ山、不潔、悪臭、病気持ち」という
ネガティブなイメージも定着しました。

驚くことに、パヤタス出身であることが分かると、
就職活動などで不採用になることもあるらしく、
人々は、パヤタス出身であることを隠して生きているそうです。

生まれ育った故郷を人前で言えないことを想像すると、とても苦しいです。

生まれた場所、そこで育った自分に誇りを持てるようになると、
自分の存在を認め、自分自身のことをもっと大事にしていけるのでは
ないかと思います。

NPOのソルト・パヤタスのスタッフの皆さんは、
パヤタスのイメージを変えたい!という想いで、この地区で、
スカベンジャーのお母さん対象に刺繍の仕事を広めました。

パヤタスのお母さんからは、家事や子育ての合間で仕事をしながら
収入を得ることができる!と大好評♪

お仕事中のお母さんたちは生き生きしていました♪

Atelier Likha(アトリエ・リカ)というブランドで、
とってもカワイイ商品を作っています。

私たちもおみやげにたくさん買わせて頂きました☆

家庭訪問では、Likhaの刺繍の仕事をしている家庭にお邪魔し、
お話を伺いました。

もともとはスカベンジャーだったお母さん。

ゴミ拾いに使う道具を見せてくれました。

この細い金属棒を持って、売れるゴミを探します。

ずっと同じ姿勢でゴミを探すので、腰が痛くなるそうです。

夜になると、暗くて見えにくいため、ヘッドライトを付けて探すそうです。

今は、刺繍の仕事をしています。

刺繍の仕事は、デザインによって値段も変わりますが、この家のお母さんは、
一週間に1500円くらい稼ぐそうです。

ソルト・パヤタスのママエンパワメント事業では、お給料を渡すとき、
お母さんたちに一気に全額を渡さず、一割を貯金しておいて、
半年に一回まとめて渡すという仕組みを 取っています。

それは、大きい買い物をしたいときや、突然病気になってしまって
お金が必要になったときのために貯金というお金の使い方を
お母さんたちに勉強してほしいからだそうです。

仕事をしてお給料をもらいながら、家計についても勉強できる仕組みが
素晴らしいと思いました!

次にお邪魔した家庭は、家族みんなでインタビューに答えてくれました。

家の外には、拾ってきたゴミが集められ、分類されていました。

この家の女の子に夢を聞いてみました。

その答えは、「外国へ行って、家事使用人になること」でした。

思ったよりも現実的な回答に、少し戸惑いました。

この地域の子どもたちは、職業に対するイメージを持つ機会が少ないため、
将来の自分を想像したときに、身近な限られた職業になってしまうという
話を伺い、衝撃を受けました。

この女の子に、もっと沢山の仕事や生き方を知ってほしいと思いました。

何を選択するかは、もちろん一人ひとりが決めていくことですが、
選択肢は少ないより、多い方がいいと思います。

・・・そう思う一方で、こんなふうに思うことが、そもそも大きなお世話で、
私の勝手な押し付けでしかないかもしれないとも思いました。。

「子どもたちのためだったら、私は何でもしたい。」

お母さんのこの言葉を聞いて、子どもたちは嬉しそうに笑っていました。

子どもたちの笑顔から、家族の愛情たっぷりに生活していることが伝わりました。

1日パヤタス地区に滞在し、ソルト・パヤタスのスタッフの皆さんをはじめ
パヤタスに住むご家族にお話を聞かせていただいたこの日の夕方、

どんちゃんが言いました。

「一緒にフィリピンの応援歌を作って、
 パヤタスの子どもたちをヒーローにしましょうよ!!」

この発言に、ソルトパヤタスのスタッフみなさんが大喜びしてくださいました!!

フィリピン人は、音楽好きが多いそうです♪

スタッフのみなさんとその場で制作に関するミーティング開始!

みなさんがキラキラした目で意見を出し合うミーティング、
とってもワクワクしていました。

そのときの皆さんの笑顔を見て、ソルト・パヤタスの皆さんが
「パヤタスのイメージを変えたい、
 この地区に住む人々に幸せになってほしい」

と本気で願い、様々な事業に取り組んでおられることを改めて感じ、
尊敬しました。

楽曲が完成し、お披露目できる日が、とっても楽しみです♪♪
(現在制作中です^^)

3日目のピナツボ地域のブログへと続きます

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