名古屋ライブは、涙と笑いと祈りの時間でした

いつもありがとうございます。

3/21(月・春分の日)は、名古屋芸術劇場にてライブをさせていただきました。

この時期のライブということで、
主催者さんは相当考え抜かれた決断だったと思います。

しかし、「やってよかった」という全員一致の感想で終えることができました。

機材セッティングの後、楽屋にてリハーサルを待っていたら、
主催者であるKさんが来られました。

知り合いの方がヘアメイクができるとのことで、みっこさんどうですか、と。

立候補してくださっているんですか?と聞いたら、
ハイ、とのことなので喜んでやっていただくことに。

今回はライブスタッフとして来られたゆりかちゃんという女性ですが、
そんな特技をお持ちなら、とHさんがご提案くださったようです。

名古屋出身の方で、今は東京にて働いておられ、
エクステや編みこみを専門にされているそうです。

小一間出来上がったのがこちら!

「コーンロウ」というのだそうです

すごすぎるー!

まさしく髪技です。

見る人みんな「すご〜い!」って写真を撮ってくださいました♪

やってみたいわ〜という方はこちらからどうぞ♪

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リハーサルが始まり、一通り演奏します。

新曲もあるので慎重に行いました。

お昼ごはんをいただいたあと、ロビーにてお出迎えをさせていただいたのですが、
そこには被災されているはずのSさんご夫婦の姿が。。。

家の外側だけが残った、というお家になりながらも、
震災の日から看護士として仕事に出た奥様は、
今日のライブにも、いつもの笑顔でいらしてくださったのです。

そして「大丈夫!」と私を見ておっしゃってくださるのです。

「今回はやめておく」という選択もできたはずなのに、
名古屋までバスを乗り継いでやってきてくださったのです。

言葉をなくす私に、いつもは寡黙な旦那様が教えてくださいました。

「しょうじき、つかれています。水も出なくてね、やっと昨日、
知り合いのところでお風呂にはいれたんですよ」と。

今すぐにでも何か力になりたいのに、私には水道をひくことも、
家の中を片付ける手伝いも、今後の生活を保証できるようなことも、
何一つできないと、はがゆい思いになりました。。。

開演時間となり、くまちゃんと私は舞台袖に、どんまゐはステージに立ちました。

うたさんの歌に号泣・・・

今回は、歌川たいじさんとゐ慕兄弟がゲストとして2曲ずつ演奏をしてくれました。

私はずっと舞台袖にいたのですが、
うたさんの「よわくてつよい」に嗚咽してしまうほどに涙が。

「ぼくらはよわくてつよい こわいものばかりだけど 生きてゆく」

そう、生きていくんです。

信じられないような恐怖を知り、絶望を見た上で、
泣き顔のままで扉に手をかけ、生きていく。

被災していない人間も、やるせなさ、無力感、悲しみ、
それらに涙を流しながらも生きていく。

それが人間なんだって思えて、その強さにひたすら心が震え続けました。

Sさんご夫婦がまさしくこれをしてくださっているんだと。

いえ、きっと多くの方々が、こうやって生きていこうとしているんだと思いました。

うたさんのステージが終わってから、くまちゃんがステージに上がりました。

この世に生まれてきてくれた人すべてに

「ちょっといいですか?」とギターを持ち、静かに話しはじめました。

「大きな地震があった3月11日は、実はどんまゐの誕生日です。
そしてはっぴゐくんの誕生日です。そして3月22日はうたさんの誕生日です。
今から、バースデーソングを歌いたいと思うんですが、大きな地震に遭い、
命をなくした方々もいらっしゃる日です。ぼくは、その亡くなったかたが
「生まれて来なければよかった」って思っていてほしくないんです。
だから、この会場にいる皆さん、亡くなられた方に向かって歌ってください。
「生まれてきてくれて、ありがとう」という気持ちを込めて歌えば、
きっと届きます。聞いてくれています。」

そんな挨拶のあと、みんなでバースデーソングを歌いました。

これはKさんが考えた、この3人へのサプライズプレゼントでした。

巨大なケーキも登場し、3人はとても喜んでくれました。

ありがたくいただきました

人の役に立つために全力を尽くしている3人です。

生きているからできることを、より意識した誕生日だったのではないかと思います。

次に、ゐ慕兄弟の出番です。

ゐ慕兄弟

ボーカルのららばゐさんの優しい声が、会場の隅々まで届きます。

「I情(あいじょう)」と「You情(ゆうじょう)」という歌を歌ったのですが、
どんまゐが、はっぴゐさんに聞きました。
ど「はっぴゐ、アルファブロガーであるうたさんのブログにも載ったよね
は「?はい・・・。」
ど「どんな話だったっけ。ほら、お友達のね。」
は「はい・・・」
ど「(忘れてるのか?)友達ってさー、君にとってどんなもの?」
は「ともだち。・・・いいやつ。」
ど「(アカン忘れてる)うん、いいやつやけどさあ、
ほらエピソードあったやん?道路で歩くとき」
は「あああーーーっ!!!ハイ!」
ど&ら「遅いわー!」 そんなはっぴゐさんのおかげで、
会場も笑いに包まれました。

いよいよ一途の出番となりました。

3人そろったところで、司会の方も一緒にステージに上がりました。

ほよよ?と思っていると「実は一途さんにサプライズプレゼントがあるんですー♪」と。

なんと、私達の両親が登場!父は紋付の羽織袴、
母はいつもよりちょっとステキ目のお洋服で。

そして、ご来場くださった皆様から寄せ書きをしていただいた一途家紋
(実は家紋なんです)の旗をいただきました!

サプラーイズ!

父は司会の方に促されるままに、会場のお客さまにご挨拶をさせていただきました。

ちょと面食らっちゃったので話はぜんぜん覚えていないのですが(じーじごめん)、
いただいた感想の中には「お父様のご挨拶が一番感動しました」というお声もあったので、
なにやらしっかりしたことをお話していたようです。

「キムタクみたいに伸ばすんだ」と言っていた髪を切り、頭を丸めてきていました。

その間、母は私に耳打ち。「みっこちゃん、あたまかわいいね♪」と。

父の話が終わった後、司会の方が「お母様もぜひ一言ください」とマイクを渡したのですが、
母は緊張マックスになりつつ両手でマイクを握りしめ、
「ありがとうございます」とだけやっと言えました。

2枚の旗!

そしてステージの天井からも、身内からのメッセージが書かれた旗が掲げられました。

い、いつの間に用意したのかしら!?

これまたHさんからのサプライズプレゼント。

この次々と繰り出されるこのサプライズに嬉しすぎて動揺したのか、
くまちゃんは自己紹介で「こういちくまひげです」と言っていました
(正しくは「鈴木幸一、芸名はくまひげです」)。

自己紹介を終えたところで演奏を始めました。

今回のセットリストはこちらです。
1.あなたの息子として
2.君の明日へ
3.Let’s Go!
4.ひとつのあかり
5.そのままでいて
6.Like a Dragon
7.ここにおいで
8.謳歌
9.ぼくのゆめ
10.オカン
11.愛の星を守り継ぐ者(アンコール)

1曲目の「あなたの息子として」は、初披露する曲でした。

親から愛されることも、大切にされることもうっとおしく感じ、
さらに母親の真面目さや垢抜けない様子が恥ずかしく、
苛立って暴力をふるい、罵声を浴びせ、東京へと出て行った田舎の若者の歌です。

母親は、乳癌で片胸をとったにも関わらず全身へと転移し、
苦しみ抜いてひっそりと命は消えていきます。

でも母親の純粋な愛情は一生変わることはありませんでした。

それを知った彼は大きな大きな後悔を背負います。

でも、その背負った重みで、この世界に大きな足跡をつけて生きてやる、
という決意が入った歌です。

非常にアグレッシブで、今までの一途とはまったく正反対にあるような曲調なのですが、
私はこれこそ彼の心の中を見事に表すメロディだと感じています。

本当にどんまゐはすごい。

どんまゐ

「Like a Dragon」は、
被災地にて命を張って全身全霊で救出活動をしてくださっているレスキュー隊の皆様、
消防団の皆様、自衛隊の皆様、海外から応援にいらしてくださった皆様、
知力を尽くしている政府の方々に向けて歌いました。

この歌が龍の背中に乗って被災地へと飛び、
それぞれの身体の中に入ってパワーとなってくれますように、
とイメージしながら歌いました。

歌い終わったあと、どんまいが「届けた!」と断言もしてくれました。

次に歌った「ここにおいで」は、被災され、家をなくし、愛する人をなくし、
宝物を失った方々に向けて歌いました。

被災したにも関わらず、
時間をかけてお金をかけていらしてくださったSさんご夫婦に捧げました。

ラストソング「オカン」を歌った後、
すぐに「アンコール!」の声と手拍子がなり始め、
ありがたく「愛の星を守り継ぐ者」を歌わせていただくことにしました。

くまちゃん

今まで地球に生きてきた人間は、こんな震災があってもやはり地球と生きていきます。

今だからこそ、地球へこれからもよろしく、という気持ちで歌いたいと思いました。

どんまゐが「今回の地震は、地球は「ごめん」って思っているように思えてならない。
地球が「人間をやっつけてやる」と考えてやったとは思えない。
だから、人間はやはり「守り継ぐ者」として、
地球とともに存在し続けていく道を探していくのだと思う」と話してくれたあと、
「ではいきましょう」とくまちゃんが鳴らしたのは、曲の途中からでした。

あわてて止めるくまちゃん。そして一言。 「わ〜びっくりした、ちびっちゃうとこだった」
と言ったところでどんまゐが思い出話をしてくれました。

先日、母校の鳥羽小学校にてライブをさせていただいたとき、
3人のアルバム&文集を見せていただいたんです。

私は巨峰が成長していくのが楽しみ、という文章でした。

未だに植物大好きです。どんまゐは父と行った北海道への元服旅行のことでした。

未だに旅が大好きです。

そしてくまちゃんは、「おしっこちびった」系の文章だったのです。

未だそれは変わらず・・・。 というところで、
会場の皆さんと一緒に笑うことができました。

どんまゐは「よかったー!オレみんなと一緒に笑いたかったの!
くまひげくんありがとう〜!」って。

くまちゃんも「う、うん、よかったね〜」って。(*^_^*)

一途

こうして皆さんと一緒に笑い、歌い、祈り、ライブは幕を下しました。

帰りはお見送りをさせていただいたのですが、
「初めて来ました」とおっしゃってくださる方が多いこと。

何でこのライブを知ったのかを聞いてみると、
「うたさんのブログから」とおっしゃる方がほとんどでした〜。

さすがアルファブロガーです。

皆さんとても穏やかで、たおやかで、こちらが癒されました。

このお見送りの時に、Kさんから感謝の気持ちが入ったプレゼントをお渡ししました。

ポチ袋に1つずつ入っていたものは、こちらです。

ストラップです♪

手作りのストラップ。

赤がどんまゐ、青がくまちゃん、緑がみっこをイメージして作られています。

何色がもらえるかはお楽しみ♪

そしてSさんご夫婦もお見送りさせていただいたのですが、
旦那様が「ぼく疲れたって言ってたでしょ?
今ね、信じられないくらい、元気なんです。疲れが吹っ飛びました。
こんなに元気をもらったのって、生まれて初めてです」
って笑顔でおっしゃってくださいました。

そして奥様は「みっこちゃん、さっき娘からメールがあってね、
家に水が来たんだって!ヽ(*゚O゚)ノ」と!
手を取り合って「やった〜!!」って喜びました。
「歌が通じたのかもね〜」「きっとそうだよ〜」って。嬉しかった。。。

みっこ

震災で辛い目にあっている方も、
そのほかで苦しい思いをされている方も、会場にはおいでです。

少しずつしかお話はできないのですが、歌によって元気が出たよ、
とおっしゃってくださるかたは本当に多くいらっしゃいます。

少しでもお役に立てれば、人間としてこんなに嬉しいことはありません。

このライブは、本当に意義のあるライブだったと感じています。

主催者のHさんは、先月の大阪ライブにもいらしてくださったのですが、
実はその日の夜に脳梗塞で倒れ、緊急入院をされます。

この時点で、名古屋ライブは危ぶまれたのですが、
お医者様も驚くほど驚異的な回復力をもって、
開催数週間前に復活されたのです。

Kさんの周囲には強力なサポーターがおり、
全ての準備はライブ当日にはちゃんと間に合わせることができました。

時間のない中、本当に大変だったと思います。

ありがとうございました。

ご来場くださった皆様も複雑な思いで来られている方、
「やめようと思っていたけどやっぱり来ました」という方、
決意を持っていらしてくださる方、
皆さんそれぞれ胸に思いを持っていらっしゃっていました。

それを皆で感じあい、心を一つにし、被災地を助けていくのは自分である、
という自覚を新たにしたような気がします。

歌が何の役に立つ、娯楽に過ぎない、という考え方もあると思います。

私はその考えを生み出すまでの歴史を想像することしかできませんが、
尊重します。

同じレベルで、私は音楽の力を信じています。

聞きたい、とおっしゃってくださるなら、是非とも演奏させていただきたいです。

被災地にて歌を届けられたらと、今その道とタイミングを模索しています。

どうにか、一日も早く力になれればと思います。

地球に住まう私達が、音楽を友とし、人生を謳歌できますように。

そして子どもたちが輝ける未来を築く舞台を、1日も早く創れますように。

主催のKさんをはじめ、実行委員の皆様、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました!!

スタッフさんとパチャリコ

追伸:このライブで義援金の募金箱を設置させていただきましたところ、
46,544円が集まりました。

皆様のお志、しかと受け取りました。

こちらは、3/24に日本赤十字社を通じて寄付させていただきました。

ありがとうございました。

領収証
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