東北応援ツアー第3弾〜帰福〜

いつもありがとうございます。

8月16日(金)朝、3日間のツアーを終えて福井へと車を走らせます。

車中はみんなで一番印象に残ったシーンを話し合いました。

■どんちゃん:
1,きよちゃんの涙
2,南境7団地の自治会長との会話

出会って2回目なのに、うれし涙を流してくれたきよちゃん。
そして帰るときも「見送らないからね、泣いちゃうから」と目を真っ赤にしていました。
人を集めて踊りを作り、練習し、衣装も考え、この日のために全力で頑張って
来てくれたことが手にとるようにわかり、胸がいっぱいになったと言っていました。
ごはんを食べる前には「手洗っておいで!」ライブ終了後には「シャワー浴びる?」と
まるで息子のように接してくれたことも嬉しかったそうです。
あと、自治会長は自分も心に傷を負っているのに、
無償の自治会長という仕事から逃げないことだそうです。
朝から夕方まで自治会長の仕事をし、夜は警備会社に勤めています。
自治会長のお仕事は本当に大変で、仮設内の人間関係を調整したり、
要望を実現したり、市とかけあったり、ボランティアさんのお世話をしたり、
まさしく東奔西走で馬車馬のように働いておられます。
今回の夏祭りも、必要なトラックやカラオケや椅子を借りに行ったり、
発電機を社協さんに依頼したり、足りない物は自分の家から持って来たり
(今回はカラオケに設置する液晶画面がないとのことでテレビを持って来ていました)と、
汗だくになっておられました。
自治会長となると、会社を経営するくらいの判断力と人の能力の見極め&使い方が
わからないと難しく、今の自治会長さんはその経験がないのに
必死にがんばっておられるところがすごい、と話していました。

■みっこ:
1,少年の心臓の鼓動を感じた時
2,蔵ハウス大船渡のおばあちゃんたちの笑顔

先日のブログにも書きましたが、少年の鼓動は、今も手に感じることができます。
たくさんの方々が亡くなった場所で、この心臓が動いている。
その事実は、「命が希望」という言葉の意味を強く実感させてくれました。
この命があれば・・・、の後に続く、無限の可能性が次々と私の頭に浮かんで来て、
「ずっとずっと動いていてね。動いて少年に可能性を与え続けてね」
と願わずにいられませんでした。
私のところに来てくれたこの仮設に住む子ども達はもちろん、
いや、世界中の子ども達の心臓が元気一杯、ずっと動き続けてくれますように、
と空に願いました。
もうひとつ印象深かったのが、蔵ハウス大船渡のおばあちゃんたちの笑顔なのですが、
そのベースにあるのがあそこにいた職員さんたちの底抜けの明るさと
器の広さなのだろうなと感じました。
見たこともない私たちに対して、怪しむそぶりは一切見せず、
むしろ大歓迎の笑顔でした。
ライブ中も一緒に大声で歌ってくれたり、笑ってくれたり、
座っていると斜めになっちゃうおばあちゃんにもちゃんと見せてあげたいと
色んな工夫をそっとほどこしていたり・・・。
自分たちの手でご飯を作るところも、まるで一つの家族のお母さんのよう。
この「お母さん」がいるから、おばあちゃんたちは安心して過ごすことができ、
心にも余裕が生まれ、私たちもどーんと受け入れ、
だからあれだけの笑顔が生まれたのだろうなと思いました。
これは場所を変えると学校にも当てはまると思います。
先生方がゆったり大きな心を持ち、笑顔いっぱいの学校だと、
生徒達もそうである場合がとても多いです。
親の背を見て子は育つと言いますから、家庭でも当てはまるのかもしれません。

■岩崎:
1,女川町立病院と大川小の被災を知ることリーダーの役割の大切さを実感
2,私たちの親戚と過ごした時間

去年8月に女川町オレンジハウスでライブをさせていただいたのですが、
そのときお世話をして下さった方の経験談を岩崎に話し、
その上で町立病院を見てもらいました。
経験談とは、高台の病院の1階部分が津波に飲まれ、水がひいた後も泥だらけ、
もう診療はできない、と心折れかけた友人の医師に、
「ここはオレたちがなんとかするから、お前は2階で診察しろ!」 と言い、
なんとか病院が回り始めた、という話です。
決断力ある、リーダーとなる人の一言です。
そして大川小でもリーダーの話になりました。
この小学校ではなぜ多くの命が犠牲になったかというと、
普段からの危機管理があまりされておらず、50分もの間立ち往生し、
結局流されてしまったそうです。
逆に、釜石の奇跡と呼ばれる小中学校のほとんどの子ども達が助かった例をみると、
普段から防災の意識を高め、余震があった大地震前日にも避難訓練をして
逃げる場所をしっかり決めていたことなどが上げられます。
じゃあ、それを誰がさせるのか、というと、学校のリーダーです。
会社のリーダーである岩崎は、自分に置き換えて考えることができ、
とても勉強になったと話していました。
もうひとつ、私たちの親戚と過ごした時間がすごく楽しくて感激したそうです。
私たちから、被災した当時命からがら逃げて奇跡的に助かったことや、
今も後遺症があることなどを聞いていたけれど、
初対面の自分にも丼ちゃんみっこと同じように接してくれて、
しかも笑いも絶えず楽しくてしょうがなかったと。
あの笑顔、優しさの裏には、被災した時の「生きていることだけで天国」
という実感があるのだろうな、と話していました。

■森川:
1,南境夏まつりのセブンシスターズの明るさ
2,食べ物の美味しさ

森川は、震災直後、福島県郡山市に支援物資を届けに行く
ボランティアを何度かしていたようで、あの時見た状況と人々の表情が
今でも忘れられないそうです。
今回もそれくらいの覚悟しての参加でしたが、
トーク&ライブを通して笑っている人がいることに少し安心したとのことでした。
確かに、セブンシスターズの体力、マシンガントーク、
その中にちゃんとしのばせてある思いやり、
私たちを自分の子どものように思ってくれている言動、
どれをとっても「元気はつらつ!」という言葉がぴったりでした。
けれど、それが被災地のすべての人がそうではなく、あのお祭りにも出たくない、
何もしたくない、という方々もおられるはずで、
そういう人たちにどうやってアプローチしていけばいいのだろう、と思ったそうです。
あと、食べ物のおいしさにも感動したとのこと。
ウニ、ホヤ、ホタテ、ワカメ、秋刀魚など「超うまい!」と感じたもの全てが、
あの時、たくさんの人命を奪って行った海から生まれたもの。
そして三陸の人々も、その海から生まれたものを売って生きて行く。
人は生きるために悲しみを振り払うのではなく、
悲しみと共に生きておられるのだろうなと思ったそうです。

次に、森川が出してくれた
「仮設で元気がない方々にどうアプローチしていけばいいのか」
について話し合いました。

元気な人たちには、
「たくさんの人と楽しみたい」
「人が集まって来て欲しい」
「みんなと元気で過ごしたい」という願いがあります。

だからお祭りのようなイベントがあると、お友達に声をかけあい、
自治会長さんだって必死になります。

団地音頭を作詞した安藤さんや自治会長さんがおっしゃっていた言葉があります。

「大きな音を出して、みんながワイワイ楽しそうにやっていれば、
引きこもっている人も出て来てくれるんじゃないかと思っている」

セブンシスターズは、「団地音頭の振り付けを考える」というきっかけから
生まれたチームで、当日はお揃いの法被に身を包み、
輪になって元気いっぱい踊りを見せてくれました。

そしてそこにどんどん人が集まり、一緒に踊ってくれたり、
踊らなくても周りで手拍子でリズムをとってくれたりしました。

ということは、一途の役割として
「セブンシスターズのような元気な活動が継続されるよう、継続して応援すること」
ではないか、という結論に至りました。

「がんばろうよ!」という元気な輪が途中でしぼんでしまわないよう、
少しずつでも広がって行くよう応援するのです。

そして、他にもそんな輪が生まれるような案を考えるのです。

そのためにも、時々お邪魔し、
音楽とトークで僅かながらも励まし続けていくことじゃないかと思います。

全国的に失速しているように感じる「復興支援」ですが、
国に任せきりにしてしまうのではなく、自分の力でできる範囲で
「応援しているよ!」と表現していくことが、
きっと向こうの方々への元気につながるのではないかな、と思いました。

最後になりましたが、
今回のライブ先を探して下さった鯖江市役所の藤田さん、
マネージャーのりちゃん、本当にありがとうございました!

ライブ先で見たもの、聞いたことを、福井の小中学校でもたくさん伝えたいと思います。

お二人の努力が、福井の子ども達の未来に、必ず、役立つと思います!

そのライブを受け入れて下さった、
蔵ハウス大船渡さん、松原苑さん、南境第7団地の皆さんにも
心より御礼申し上げます。

またいつかお会いしましょうね!

そして、同行してくれた岩崎と森川にも大感謝を捧げます。

慣れないことだらけの中、たくさん気を遣い、
私たちが動きやすいように先回りして準備をしてくれました。

車の運転も頑張ってくれたし、
カメラマンとしてもいい表情をたくさんおさめてくれました。

そのおかげで、私はこうしてブログに記録を残すことができ、
福井のスタッフにも報告することができます。

この二人がいてくれたおかげで、
今回のツアーは無事に終えることができたといっても過言ではありません。

本当にありがとうございました!

そして、このブログに興味を持ち、
最後までお読み下さった皆様にもお礼申し上げます。

本当にありがとうございました!

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