いつもありがとうございます。
応援ツアーの1日目であります5月15日(水)は、石巻市にあります仮設住宅、
南境7団地北集会所にてトーク&ライブをさせていただきました。
この辺りは日本最大の仮設住宅地です。
去年の夏にもお邪魔させていただいたのですが、
その時と様子はあまり変わっていないように見受けられました・・・。
さて、平日ということもありましたが、
2〜30人の方々が集まってくださいました!
一番乗りだった女性は、去年の夏の慰霊祭で歌った私たちのことを覚えていてくださり、
「覚えているよ、盛り上がったもんねえ♪」 と話してくださり、大感激!
次々と集まってくださる方々の中には、今回初披露させていただく
「団地音頭」の作詞者、安藤武雄さん(72)もいらっしゃって、
おしゃべりもはずみました♪
最初に、鯖江市牧野百男市長より預かった「親書」を
自治会長さんにお渡しいたしました。
親書?と思われる方のために、少し内容をご紹介しますと
・復興に向けて進まれていることに心から敬意を持っていること。
・鯖江市は微力ながら復興のお手伝いをしたいと願っていること。
・一途ライブを受け入れてくださっての感謝。
・一途ライブにて、心安らぐ、楽しいひとときを過ごしてもらえれば幸いであること。
などなど、力強い応援メッセージの詰まったものです。
牧野市長に心から御礼申し上げます!
今回のセットリストはこちらです。
1.ふるさと(唱歌)
2.夏は来ぬ(唱歌)
3.愛燦々(美空ひばりさん)
4.宝探し(一途)
5.仰げば尊し(唱歌)
6.みかんの花咲く丘(唱歌)
7.みちのく一人旅(山本譲二さん)
8.兄弟船(鳥羽一郎さん)
9.団地音頭(安藤武雄さん作詞:一途作曲)
ご存知の歌は一緒に歌ってくれるのはもちろんのこと、
好きな歌だとイントロで拍手をしてくださるなと、
真っ正面から 「楽しむぞ〜♪♪」 という姿勢でいてくださるのが、
本当にうれしく思いました!
自然と私たちも 「もっと楽しませちゃうぞ〜〜〜♪♪♪」 となります!
どんちゃんのトークは何度も笑いを生み、
くまちゃんも「ぼくも歌いたい!」と立候補をし、
ついには私たちの歌のルーツを作ってくれたばーば(母親ですね)まで
ひっぱり出して歌ってもらっちゃういました!
最後はいよいよ「団地音頭」です。
作詞をしてくださった安藤さんに曲に込めた思いをお話いただきました。
「最初は『仮設音頭』ってタイトルにしようと思ったんだけど、
いずれ山の上の団地で暮らすようになったらその言葉じゃだめかなと思った。
団地に行っても、この音頭でみんなが力を合わせて絆を深めて生きて行けるように・・・」
淡々と話す中にも、人は一人では生きていけないんだという思いを強く感じました。
そして、全てを流されてしまっても、
前を向いて生きるしかないんだという決意もあるように感じました。
団地音頭は3回歌いました♪
1回目は初披露。
2回目は踊りを考えながら。
3回目は実際に踊ってみながら♪
踊りが大好きな女性が何人かおられたのですが、
手の動きがとっても美しくて、これはいい踊りになるぞ〜!
という予感でいっぱいです♪
またしっかり固めてくださるとのことで、
仕上がりを楽しみにしたいと思います♪
すべての歌を終えると、
わざわざ 「今日は本当に楽しかったです!ありがとうございました♪」 と
にっこにこの笑顔でお礼を言ってくださるおばあちゃんもいらして、
私たちもほっと安心することができました!
このあと、自治会長さんにいろいろお話を伺ったのですが、
仮設住宅はやはり心がすさみがちとのこと・・・。
明るく前向きになる方もいれば、その逆の方もおられ、
どうにか外に出て来てみんなと話せる場を持ったり、
楽しめる場を作りたいと一生懸命に活動をされていました。
お仕事もあるのに、そちらに手が回せないほどにその仕事がお忙しいそうで、
本当に大変です。。。
(働けないということは、暮らすお金がない、ということになりますものね)
自分も被災したのに、人のために生きる。
自分は片足しか立てていないけれど、両足で立てない人よりはマシだから。
そんな思いが原動力になっているのだと感じて、ただただ頭が下がるばかりです。
一日も早く、家族みんなが心からくつろげる家ができあがりますように。。。
撤収がすんだあと、石巻復興支援ネットワークのよしえちゃんこと兼子代表が、
驚愕メニューのあるお店を紹介してくださいました。
東松島市にある「えんまん亭」というお食事処です。
昔はお店を構えていらしたのですが、津波ですべてを流され、
今はこのプレハブで営業をされているそうです。
ここのイチオシが、海鮮ラーメンです。 はい、ドン!
毛蟹一パイ、丸々したあさり、太ったエビ、大きなホタテ1つ、
新鮮なワカメが入ってます!
海の幸のお出汁が極限まで出し尽くされ、
そのスープが麺にしみ込んでいて美味しいこと!
途中、優しい笑顔の大将が出てこられ、
「蟹味噌をねえ、こうやって外して、スープに溶かして食べてね」 と
器用に毛蟹をさばいてくれました。
「いててて、毛がささる〜」 と慣れない私たちにも優しく
「やってあげるよ」と手際良く味噌を出してくれます。
「うまい!」
「こんなの初めて食べた!」
「うんまい!!」
「いや〜〜〜〜、うまいっっ!!!」
最後には、一口入れるごとに 「うんっ!!」 「うんうんっっ!!!」 と
省略しながらも、毛蟹のふっくらした身はもちろん、
エビもカニもホタテもワカメも、
最後のスープ一口まで美味しくいただきました〜!
美味しすぎて、涙が出そうでした。
店内の壁には津波の被害がわかる写真や、
津波のある前のお店の外観写真など少し飾ってあったのですが、
奥様が 「コツコツがんばったものが、一気にゼロになっちゃったからねえ。
しょうがないから、またゼロからコツコツですよ〜」 とおっしゃっていました。
人生を流し去った津波を苦しみながら受け入れ、
前を向いて歩いておられる姿(しかも笑顔でお話くださいました)に、
私たちはただただ頷くしかありませんでした。
こうやって頑張っているお店こそ、どんどん観光客が集まって、
応援消費をしてくれたらいいなあって思います。
お店が生き残るには、売り上げがしっかり立つこと。
つまり、私たち消費者の立場から言えば、たくさん欲しいものを買うことですものね。
その後は、眼下を一望できる日和山と、
流されてきた工場や住宅によって燃え続けた門脇小学校へ。
8月にお邪魔したときと、大きな変化がないことに、言葉を失いました。
過去の一途ブログ:8月の日和山から見た景色写真がある記事
おそらく、護岸工事など基礎的なことは進んでいるのだと思います。
しかし、まだまだ人が住める状況ではなく、津波が突っ切って行った家や、
燃えてしまった小学校がそのまま残っているのを見ると、
どうしてもあの津波の被害を思い出してしまいます。
命からがら逃げて生きのびた方々にとっては、その建物すら、
恐怖そのものではないかと思うのです。
2年2ヶ月経った今も、津波は過去のことではなく、
生々しい傷がそのまま血を流しながらそこに存在するのだと感じました・・・。
日和山から見える中州にある「石ノ森萬画館」にもお邪魔しました。
こちらではサイボーグ009のユニフォームを着たスタッフさんたちに出迎えられ、
「完全復活」を目の当たりにした気分になり、
「ちゃんと前に進んでいるんだ!」と思うことができました。
この建物は「津波が来ても大丈夫なように」、と設計されたものだそうで、
崩れてしまうこともなく耐えきったそうです。
とはいえ、大きなダメージを受けたため、ずっと休館されていました。
館内の至る所に、漫画家さんからの直筆メッセージが飾られ、
その生きているような線を見ると、人ってすごいなあと感心すると同時に、
生きていることでしかできないことが多すぎる、とも感じました。
ここまでしっかり復活できたのは、まさしく「人の力」のおかげだと思います。
「生きてきてよかった」と思える人生にしたいと、改めて思うのでした。
最後になってしまいましたが、この場所でのライブが実現したのは、
底抜けに明るいパワフルガールズ、
石巻復興支援ネットワークの代表兼子さん、小松さん、戸田さんの
おかげに他なりません。
本当にありがとうございました!
応援ツアー2日目:石巻地区保育所 開成12団地東集会所に続きます。